愛媛・高知で震度6弱の地震　伊方原発で異常確認されず

17日午後11時14分ごろ、愛媛、高知両県で最大震度6弱を観測する地震があった。気象庁によると、震源は豊後水道で、震源の深さは約39キロ。地震の規模はマグニチュード（M）6.6と推定される。この地震による津波はなかった。同庁は今後1週間ほど最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけた。

同庁は地震の規模は南海トラフ巨大地震との関連を調査する基準に満たなかったと説明した。愛媛、高知両県で震度6弱以上の揺れを観測したのは現在の震度階級が導入された1996年以降で初めて。

震度6弱を観測した高知県宿毛市によると、一部地域で断水の情報があるほか、街灯が倒れたりブロックが崩れたりする被害があった。愛媛県宇和島市消防本部によると、同市内で水道管が破裂したとの通報があり、市内の数カ所で水漏れも確認した。

原子力規制庁によると、伊方原子力発電所（愛媛県伊方町）に17日午後11時半過ぎ時点で異常は確認されていない。同町は震度4の揺れを観測した。

気象庁はこの地震で、建物の高層階をゆっくりと揺らす「長周期地震動」の観測情報も発表した。高知県西部で、物につかまらないと歩くことが難しいなど行動に支障を感じるとされる長周期地震動の階級2を観測した。

政府は17日午後11時16分、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。

岸田文雄首相は①早急な被害状況把握②地方自治体と緊密に連携して被災者の救命・救助などの災害応急対策に全力で取り組む③国民に避難や被害に関する情報提供を適時的確に行う――の3点を指示した。

岸田首相は18日未明、「夜間でもあり大変不安を感じている人も多いが安全第一で、余震にも注意して行動してほしい」と呼びかけた。首相官邸で記者団に語った。

林芳正官房長官は軽傷で数人が救急搬送されたと明らかにした。

各地の主な震度は次の通り。震度6弱=愛媛県愛南町、高知県宿毛市▽震度5強=愛媛県宇和島市▽震度5弱=愛媛県八幡浜市、大分県佐伯市▽震度4=松山市、高知県土佐清水市、大分市など。