サムスン7四半期ぶり営業増益 1〜3月、半導体が回復
【ソウル=松浦奈美】韓国サムスン電子が5日発表した2024年1〜3月期の全社営業利益は前年同期比10倍の6兆6000億ウォン(約7300億円)だった。主力の半導体メモリーの市況回復で7四半期ぶりに前年同期を上回った。世界的なインフレによる景気後退や新型コロナウイルス下の特需の反動が招いた半導体不況が転換点を迎えた。
売上高は11%増の71兆ウォンだった。増収増益は22年4〜6月期以来。1〜3月期の純利益や事業別収益は、今月末発表の決算確報値で公表する。
23年通期で営業赤字だった半導体部門が1〜3月期に黒字転換したとみられる。パソコンやスマートフォンの売れ行き不振で22年半ばからメモリー在庫が積み上がり市況が低迷した。サムスンをはじめとするメモリー各社が減産を進めていた。
過剰在庫の解消に加え、生成人工知能(AI)ブームでデータセンターへの投資が回復するなど需要も伸びつつある。結果的に「DRAM」と「NAND型フラッシュメモリー」の販売価格は足元で前年同月と同水準から2割高ほどにまで反発した。
サムスンは記録的な業績悪化に苦しんでいた。23年12月期の営業利益は前の期比85%減の6兆5700億ウォンと15年ぶりの低水準だった。半導体部門が過去最大の赤字を計上したほか、スマートフォンやディスプレーの販売も軒並み低調だった。
パソコンやスマホの半導体や、電気自動車(EV)に使われるパワー半導体とは。TSMCやラピダス、キオクシアなどのメーカーの動向や供給不足、シェア推移など関連業界や市場の最新ニュース・解説をタイムリーに発信します。
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