厚労省、小林製薬へ11時に立ち入り検査 「紅麹」問題で
厚生労働省は30日、小林製薬が製造した「紅麹(こうじ)」原料を含む機能性表示食品による健康被害を受け、同日午前11時に同社の大阪工場に立ち入り検査すると発表した。食品衛生法に基づく措置にあたる。
武見敬三厚労相は29日、「国民や事業者の不安を払拭するため原因究明に取り組む」と述べた。首相官邸で開いた紅麹製品の関係閣僚会議に出席した後で、記者団の質問に答えた。検査は大阪市と協力すると説明した。有毒な物質を含む製品の特定や、健康被害の症状の把握にも注力する考えを示した。
林芳正官房長官は閣僚会議で、消費者庁に「事案を受けた機能性表示食品制度の今後のあり方などに関して、5月末をめどに取りまとめてほしい」と指示した。厚労省には食品による健康被害などに関する情報収集体制の見直しと国の関与についてまとめるよう要請した。
これに関連し、厚労省は29日、紅麹を使う52社の製品で健康被害は現状なかったと公表した。小林製薬から直接仕入れた紅麹を使って製品をつくっている52社から報告を受け、52社の製品からは「紅麹コレステヘルプ」など3製品と同等の量(100ミリグラム)以上の紅麹を1日に摂取するものも確認されなかった。
厚労省は28日に小林製薬の3製品に使用された紅麹と同じ原材料から製品を製造した一部業者に、自主点検したうえで同省への報告を求めていた。3製品と同等の量以上の紅麹を1日当たりに摂取する製品のほか、過去3年間に小林製薬製の紅麹を原料とする製品で、医師からの健康被害が報告されたものがある場合は報告の対象とした。
小林製薬は2024年3月22日、紅麹(こうじ)を使った機能性表示食品を自主回収すると発表しました。摂取した消費者から腎疾患などの健康被害が発生したためです。最新ニュースや解説記事をまとめています。