2月鉱工業生産0.1%低下 自動車振るわず市場予想下回る
経済産業省が29日発表した2月の鉱工業生産指数(2020年=100、季節調整済み)速報値は97.9となり、前月比で0.1%低下した。ダイハツ工業の生産停止や大雪の影響で自動車工業が低下するなどし、民間予測に反して2カ月連続のマイナスとなった。
QUICKが事前にまとめた民間エコノミスト予測の中央値は前月比1.3%の上昇だった。経産省は雪の影響に加え、能登半島地震による部品関連の生産減少が続いているため全体でマイナスとした。生産の基調判断は「一進一退ながら弱含み」を維持した。
全15業種のうち、7業種で低下した。自動車工業が前月比で7.9%のマイナスだった。認証不正問題によるダイハツの生産停止が一部工場で続いているほか、2月初旬の大雪で多くのメーカーが一時的に生産を止めたことが影響した。半導体製造装置や機械プレスといった生産用機械工業は3.2%下がった。
上昇した8業種のうち、パルプ・紙・紙加工品工業は4.3%上がった。1月は能登半島地震の影響で生産が減っていたが、2月は通常稼働に戻り改善した。乳液や化粧水類といった化学工業は3.1%伸びた。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は3月に前月比で4.9%の上昇を見込む。企業の予測値は上振れしやすく、例年の傾向をふまえた経産省による補正値は4.5%の上昇となっている。4月の予測指数は3.3%のプラスとなった。
経産省の担当者は「世界経済の影響や自動車工業における工場稼働再開の状況などを注視していきたい」と話す。
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