米大統領選は5日、15州の共和党予備選が集中する序盤戦最大のヤマ場「スーパーチューズデー」を迎えた。これまで圧倒的な強さを保つトランプ前大統領は事前の世論調査でヘイリー元国連大使に大きく先行し、党候補者指名へ優勢を固める勢いだ。

共和予備選は各候補が各州・地域に割り当てられた代議員を奪い合う。全米で計2429人の総代議員数の過半数である1215を得た候補が7月15〜18日の党大会で正式に指名される。民主党の指名が確実視される現職のバイデン大統領と本選を戦う見込みだ。

開票は日本時間6日午前9時（米東部時間5日午後7時）から順次始まった。日経電子版では各州の動きをタイムラインの形式でまとめた。（時間は米東部時間5日、カッコ内は日本時間6日）

米主要メディアは西部ユタ州の共和党党員集会でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。前大統領はスーパーチューズデーで14勝1敗だった。

米主要メディアはアラスカ州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

ヘイリー氏の陣営の報道担当者はスーパーチューズデーの結果を受けて声明を発表し「ニッキー（ヘイリー氏）は予備選で2勝を挙げた初めての共和党女性候補となった」と成果をアピールした。「ドナルド・トランプに深い懸念を示す多くの共和党予備選の有権者が残っている」と指摘し「それはわれわれの党が成功するために必要な団結ではない。そうした有権者の懸念に対処することが、共和党と米国をよりよくする」と強調した。

米主要メディアは西部カリフォルニア州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは東部バーモント州の共和党予備選でヘイリー元国連大使の勝利が確実になったと報じた。接戦を制し、スーパーチューズデーで初めて1勝を挙げた。ヘイリー氏は首都ワシントンでも勝利している。

5日夜、ヒューストンで開催された共和党支持者のパーティーには数十人が集まった。トランプ前大統領に推薦され、テキサス州議会上院選で当選確実となったジョセフ・トラハン氏は「私の政策はトランプ氏とほとんど同じ。メキシコとの国境管理を厳しくして不法移民をなくすことだ」と話し、テキサス州の予備選で前大統領が勝利したことを喜んだ。

トランプ前大統領は「我々は米国を再び偉大にする。これまでにないほど偉大にする」と演説を締めくくった。

バイデン大統領は声明を発表し「今夜の結果は、米国民に明確な選択を託した。前進を続けるか、ドナルド・トランプが混沌と分断、暗闇に我々を引き戻すのを許すかだ」と指摘。「ドナルド・トランプがホワイトハウスに戻れば、全ての前進はリスクにさらされる」と警告し「個人の自由のために立ち上がろう。投票する権利や公民権のために立ち上がろう」と訴えた。

トランプ前大統領は「スーパーチューズデーと呼ばれるのは理由がある。そしてここまで決定的なことは今までなかった」と大勝をアピールし「素晴らしい夜、素晴らしい日だ」と語った。

トランプ前大統領が南部フロリダ州の邸宅マールアラーゴで支持者の前に姿を現した。

米主要メディアは米領サモアの民主党党員集会で、現職のバイデン大統領が起業家のパーマー氏に敗北することが確実になったと報じた。サモアは大統領選の本選挙には参加できないが、民主党全国大会には代議員を送ることができる。

米主要メディアは中西部ミネソタ州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは西部コロラド州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは南部アラバマ州と東部マサチューセッツ州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは南部テキサス、アーカンソー両州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは東部メーン州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは南部オクラホマ、テネシー両州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアがトランプ前大統領の勝利を報じると、共和党支持者が集まるノースカロライナ州ローリーの集会場で歓声が上がった。前大統領に一票を投じた共和党員のミシェル・モローさんは「移民問題を巡ってノースカロライナの人々の不満がたまっていることがよく分かった。11月の本選挙でトランプ前大統領は4年前よりも大差でバイデン大統領に勝利するだろう」と興奮げに語っていた。

米主要メディアは南部ノースカロライナ州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

米主要メディアは南部バージニア州の共和党予備選でトランプ前大統領の勝利が確実になったと報じた。

トランプ陣営が共和党予備選で優位に立つなか、民主党支持者の間では前大統領への警戒感が広がる。ヒューストンの主婦、ライアンさんは「4年前の大統領選に比べて民主党は一枚岩になりきれていない」と話した。「インフレに賃金上昇が追いついていない。生活は苦しい」という。

米主要メディアが中西部アイオワ州の民主党党員集会で、現職のバイデン大統領の勝利が確実になったと報じた。同州では郵送による投票を実施した。

ヒューストン市内の投票所で取材していた地元の報道関係者は「起訴された人が大統領選に立候補するなんて聞いたことがない。米国の歴史のなかでも極めて重要な選挙になるだろう」と話し、トランプ前大統領の動向に懸念を示した。ヘイリー氏については「政策の実現可能性に疑問がある。報道陣とのやり取りでも事前に用意した紙を読み上げているだけ。彼女の本音が見えない」と手厳しかった。

南部バージニア州ダレスの投票所でトランプ氏に投票した50代のジョンさんは、2020年の大統領選ではバイデン氏に投票した。「彼は何も成果を上げなかった。バイデンがあと4年大統領を続ければ、経済は悪くなるばかりだ」

米南部バージニア州ダレスの投票所で、70代のマークさんとメアリーさん夫妻は2016年と20年に続きトランプ氏に一票を投じた。南部テキサス州から移住してきた夫妻は「国境で起きていることは米国への攻撃だ。民主党は事態を悪化させるばかり」と、国境問題を重視する。ヘイリー氏は「軍需産業に近すぎる」。トランプ氏の経済政策を支持するが「他の人のことを話す時にもっと良識的になってくれるといいんだが」。

歌手のトニー・ハイマンさんは「バイデン大統領はいくつかミスをした。南部の国境は本当にひどいことになっている。それでもトランプ前大統領よりは断然良い。彼は誰に対しても不遜なんだ」と話していた。

バイデン氏は東部メリーランド州で大統領専用機に乗り込む前に記者団に対し、世論調査でトランプ氏にリードされていることに民主党内で懸念があることについて「直近5つの世論調査では私が勝っている。5つ連続、5つだ」と強調した。

トランプ氏が自身のSNS（交流サイト）トゥルース・ソーシャルに「スーパーチューズデーの投票所情報はこちら」とリンクを投稿し投票を呼び掛けた。

世界的人気歌手テイラー・スウィフトさんが、約2億8000万人のフォロワーを持つ自身のインスタグラムで地元テネシー州などで大統領選の予備選があることを指摘し「みなさんに、あなたを最も代表してくれると思う人を政権に送るために投票するようリマインドしたかった」と投稿。「まだだったら、今日投票する計画を立ててほしい」と呼びかけた。

民主党の支持者が投票所の前でビラの配布を始める。シャーロットの中心部、13管区で責任者を務めるというターニャ・ルイス（66）さんは「バイデン大統領は素晴らしい仕事をしている。民主主義を守れるのは彼しかいない」と話す。

ヘイリー氏は米FOXテレビのインタビューで、スーパーチューズデーで惨敗した場合は撤退するのかとの質問に「全ての人々が投票するに値する」と反論し「まだ撤退する気はない」と語った。

テキサス州で投票が始まった。トランプ前大統領に投票したという法律事務所の女性職員は「ヘイリー氏のことは好きよ。前大統領が出馬していなかったらヘイリー氏に投票していたと思う」と話した。ただ、「トランプ政権の1期目は米国にとって平和な時代で外交政策が良かった」と実績を評価し投票したという。

大統領選本選挙の激戦州の1つノースカロライナで投票が始まった。州最大の都市シャーロット中心部の投票所も午前中は人影がまばら。投票所の責任者は「4年前に比べて立ち上がりは遅い」と話す。

（ワシントン=芦塚智子、ヒューストン=花房良祐、シャーロット=三島大地）

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