ニデック社長に岸田光哉氏 永守重信氏はグループ代表に
ニデックは岸田光哉副社長(64)が4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事を発表した。創業者の永守重信氏(79)は会長兼CEOを退任し、代表取締役グローバルグループ代表に就任する。前職のソニー(現ソニーグループ)時代を含め、営業や生産分野の経験が豊富な岸田氏を中心とする集団指導体制で成長を目指す。
小部博志社長兼最高執行責任者(COO、74)は代表権のない会長に就く。永守氏と小部氏の任期は最長4年とし、永守氏は得意とするM&A(合併・買収)や後進の育成などにあたる。小部氏は岸田氏とグループ会社の間を取り持つなど、新社長のサポートにまわる。
ニデックでは過去10年で何度も外部から経営人材を招き、永守氏の後継候補としたが定着しなかった。持続的な経営体制を構築するため、23年4月に岸田氏を含む5人を副社長に内部昇格させ、5人から社長を選ぶとしていた。
岸田氏はソニー時代に生産本部長やスマートフォン事業の子会社社長を務め、赤字だったスマホ事業の黒字転換を果たした。22年1月のニデック入社後は車載事業本部で欧州向け事業などを担った。直近は電気自動車(EV)向け部品事業の立て直しに注力している。
新社長を支える副社長は現在の5人から4月に3人体制になる。岸田氏が社長に昇格し、大塚俊之副社長は退任する。副社長の任期は1年間と定めて毎年改選し、社長を補佐する事業部の責任者に最適な人材をつける仕組みにする。