小澤征爾さんが死去、88歳 指揮者「世界のオザワ」
ボストン交響楽団やウィーン国立歌劇場の音楽監督などを務め「世界のオザワ」と呼ばれた指揮者の小澤征爾さんが2月6日、心不全のため東京都内の自宅で死去した。88歳だった。お別れの会を行うが日取りなどは未定。
旧満州(現在の中国東北部)生まれ。ラグビーのけがでピアニストを断念、東京の桐朋学園に第2次大戦後に設けられた音楽教育部門で斎藤秀雄氏に指揮の基礎を学んだ。
桐朋短大を卒業後に渡欧し1959年、フランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。その後、名指揮者のカラヤン氏に師事、さらに指揮者・作曲家のバーンスタイン氏に招かれ、米ニューヨーク・フィルハーモニックの副指揮者に就いた。
73年にボストン交響楽団で音楽監督に就任。オペラの名門、ウィーン国立歌劇場でも2002年から10年まで音楽監督を務めた。
1984年、斎藤氏に教えを受けた同門の演奏家らとともにオーケストラを結成。この「サイトウ・キネン・オーケストラ」を中心に92年からは長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現在のセイジ・オザワ 松本フェスティバル)」を開始、自身はオーケストラやオペラを指揮した。
2016年にはこの音楽祭のオペラ公演をライブ録音したアルバム「こどもと魔法」がグラミー賞を受賞した。
ベルリン・フィルやウィーン・フィルなど有名オーケストラの指揮台に立つ一方で、室内楽アカデミーや音楽塾なども主宰し、若手の育成に力を入れた。日本では、新日本フィルハーモニー交響楽団や水戸室内管弦楽団との縁が深かった。
仏レジオン・ドヌール勲章、文化勲章など国内外で受賞多数。10年に食道がんを手術し一時、音楽活動を休止。その後も体調の許す限り、指揮を続けていた。
14年1月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。
- 【私の履歴書】小澤征爾(1)指揮者として
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