日経平均続伸、終値34円高の3万6897円
9日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、一時3万7000円を上回った。日経平均が取引時間中に3万7000円をつけるのは、1990年2月20日以来34年ぶり。前日比の上げ幅は一時400円を超え、3万7287円まで上げる場面があった。終値は前日比34円高の3万6897円だった。
8日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が3日続伸し、連日で過去最高値を更新した。S&P500種株価指数も続伸し、節目の5000を一時上回った。米株高で投資家のリスク選好度が高まり、東京市場でもハイテク関連などに買いが入った。外国為替市場で1ドル=149円台まで円安・ドル高が進んだことを受けて輸出関連株も買われた。
ソフトバンクグループ(SBG)株が連日急伸し、一時前日比15%高をつけた。SBG傘下の英半導体設計大手アームが2023年10〜12月期決算で市場予想を上回る業績見通しを発表したことが買い材料となった。アームは8日の米株市場で一時64%高と急騰した。
SBGが8日発表した23年10〜12月期連結決算(国際会計基準)は最終損益が9500億円の黒字(前年同期は7834億円の赤字)となり、5四半期ぶりに黒字となった。生成AI(人工知能)の実用化が世界的に進むなか、AIを軸とした企業グループへの転換を図るSBGの業績拡大への期待が高まっている。
生成AI需要が業績を押し上げるとの期待から、半導体関連株への買いも目立つ。東京エレクトロンは一時2%高と上場来高値を連日で更新。ルネサスエレクトロニクスは一時9%高まで上昇した。楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジストは「AIへの関心の高まりや為替の円安・ドル高進行などを受け、海外勢を中心に買いが買いを呼ぶ展開となっている」とみる。
23年4~12月期決算の発表がヤマ場を迎えるなか、好業績や株主還元拡大を手掛かりとした買いも相場を押し上げた。前日に23年4〜12月期の連結決算を発表したニトリホールディングスが一時9%高まで上げ、昨年来高値を更新した。24年3月期の業績見通しを上方修正したフジクラは制限値幅の上限(ストップ高水準)まで上昇した。
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