NYダウ、初の3万8000ドル突破 ハイテク株などけん引
【ニューヨーク=竹内弘文】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比138ドル高の3万8001ドルで引け、史上最高値を前週末に続いて更新した。2023年12月13日に3万7000ドル台を付けてからわずか1カ月あまりで、初の3万8000ドル台乗せを果たした。
年初からの構成銘柄上昇率をみると、保険のトラベラーズ、製薬のメルクや同アムジェンなどに加えて、マイクロソフトやIBMといったIT(情報技術)が上位にならび、指数の上昇に寄与した。
世界最大手の半導体受託生産、台湾積体電路製造(TSMC)が前週、24年の大幅増収見通しを示したことで、半導体関連を含むハイテク株に幅広くマネーが流入した。主要な指数であるS&P500種株価指数や、主要なハイテク株で構成するナスダック100株価指数も連日で史上最高値を更新した。
23日には動画配信のネットフリックス、24日にはIBM、25日には半導体のインテルがそれぞれ23年10〜12月期決算を発表する予定だ。業績拡大への期待感から発表に先んじた買いも入ったようだ。
米国経済の底堅さも米株買いの追い風となっている。米証券ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は市場予想を上回った雇用統計や小売売上高などを例に「最近発表となった経済指標の多くは米国の成長率改善を示している」として、強気派の買い安心感につながっているとみていた。
急ピッチな相場上昇が続くため高値警戒感も根強い。ただ米CFRAのサム・ストーバル氏は「経験則上、S&P500は高値更新から5%程度さらに上昇する可能性がある」と説明し、好調な株式需給が目先は続くとの見方を示した。
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