米大統領選、デサンティス氏撤退 トランプ氏を支持
【ワシントン=坂口幸裕】米南部フロリダ州のロン・デサンティス知事は21日、X(旧ツイッター)で11月の大統領選の共和党候補者指名争いから撤退すると表明した。トランプ前大統領を支持する。共和予備選は前大統領とニッキー・ヘイリー元国連大使の2人に絞り込まれた。
デサンティス氏は21日、Xに動画を投稿し「勝利への明確な道筋が見えない以上、支持者にボランティアや寄付を求めることはできない。選挙戦を停止する」と話した。「予備選に参加する共和有権者の大多数がドナルド・トランプにもう一度チャンスを与えたいと思っているのは明らかだ」と明言した。
15日の共和予備選初戦の中西部アイオワ州党員集会では前大統領に次ぐ2位だったものの、30ポイントほど差をつけられた。同州の全99郡を回るなど最重点州として支持拡大をめざしたが、成果は乏しかった。
共和が23日に実施する予備選2戦目の東部ニューハンプシャー州でも苦戦する。地元紙ボストン・グローブなどが同州で17〜18日に実施した世論調査によると、前大統領が52%でトップ。2位のヘイリー氏が35%で、3位のデサンティス氏は6%にとどまっていた。
選挙戦では前大統領を推す意向も示した。Xで新型コロナウイルスへの対処など前大統領との見解の違いを認めつつ「現職のジョー・バイデン(大統領)より優れている」と評価した。
共和候補を支持する誓約書に署名した経緯から「誓約を守る」と訴えた。ヘイリー氏のもとで「かつての古い共和党に戻ることはできない」と断じた。
共和の指名争いに参加した候補が撤退後に前大統領を支持する流れが続く。アイオワ州党員集会で4位だった投資家のビベック・ラマスワミ氏に加え、19日にはティム・スコット上院議員も支持を表明した。
支持率で他候補を大きくリードする前大統領にとって優位な構図が継続する現状を踏まえ、「勝ち馬」に乗る状況ができつつある。
デサンティス氏は下院議員を経て、2018年の州知事選で初当選した。22年11月の中間選挙で前大統領が推す候補が重要州で相次ぎ敗れる一方、デサンティス氏は民主党候補に大差をつけて再選。保守的な政策への期待も相まって、選挙に強い「保守の新星」との期待が高まった。
選挙戦が始まると支持は伸び悩んだ。米リアル・クリア・ポリティクスの集計によると、23年2月頃までは平均支持率は30%を超え、同年1月にはトップの前大統領に13ポイント差まで迫った。足元では退潮傾向は隠せず、ヘイリー氏にも抜かれて3位に沈んでいた。
【関連記事】
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)
2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。