安倍・二階・岸田派の会計責任者ら起訴 裏金事件で地検
自民党派閥の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は19日、政治資金パーティー収入の一部を収支報告書に記載しなかったとして、安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)の当時の会計責任者を同法違反(虚偽記入)罪で在宅起訴、岸田派(宏池政策研究会)の元会計責任者を略式起訴した。
還流を受けた側では、安倍派の大野泰正参院議員=岐阜=と秘書を在宅起訴した。谷川弥一衆院議員=長崎3区=と秘書、二階派会長を務める二階俊博元幹事長の秘書は公判を開かず罰金刑を求める略式起訴とした。
谷川議員と大野議員は離党届を提出し、19日受理された。
「派閥とカネ」を巡る一連の捜査は区切りを迎えた。証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕した衆院議員の池田佳隆容疑者=比例東海=は勾留期限の1月下旬にも起訴する。
起訴内容によると、3派閥は所属議員が販売した政治資金パーティー券収入の一部を収支報告書に計上しなかった。収入の虚偽記入は2018〜22年に安倍派約6億7000万円、二階派約2億6000万円。岸田派は18〜20年に約3000万円とされる。
安倍派では議員数十人がキックバックを受け取っていたが、特捜部は過去の政治資金を巡る摘発例を参考に、虚偽記入の総額が多額の議員に絞った。
二階氏の事務所は派閥パーティー収入など約3000万円を記載しなかったとされる。
刑事責任追及には▽逮捕して起訴▽在宅起訴▽略式起訴――の3パターンある。略式起訴では、簡裁が罰金納付命令を出し14日以内に不服を申し立てなければ罪が確定する。規正法違反罪で罰金刑以上が確定した場合、議員は公民権が停止され失職する。
派閥パーティー収入を巡っては22年11月以降、大学教授が5派閥の収支報告書に不記載があるとして刑事告発した。特捜部は23年12月、安倍派と二階派の事務所を家宅捜索し、両派や岸田派の関係者らから事情聴取を重ねた。
自民党安倍派(清和政策研究会)や二階派(志帥会)が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあるとして、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で現職国会議員を逮捕しました。両派閥はパーティー券の販売ノルマ超過分を所属議員に還流させており、安倍派における派閥・議員側双方の収支報告書に記載されていない「裏金」は2018〜22年分で約6億円近くに上るとされます。
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