ENEOSHD、斉藤猛社長を解任 2代連続で不適切行為
ENEOSホールディングス(HD)は19日、斉藤猛社長を解任したと発表した。懇親の場で酔った状態で同席していた女性に抱きつくという不適切な行為があったため。新体制が決まるまでは、宮田知秀副社長執行役員が社長職を代行する。
2022年に杉森務会長兼グループ最高経営責任者(CEO)も女性に対する不適切な言動があったとして辞任している。2代連続で女性への不適切行為で経営トップが辞任する事態となった。
同社によると、11月末にコンプライアンス窓口への内部通報で発覚した。外部弁護士による調査で事実と認定した。斉藤氏に対し、月額報酬と賞与、株式報酬の一部返還・没収を実施する。
同席していた谷田部靖副社長執行役員はコンプライアンス部門のトップを務めており、責任があるとして勧告を受け入れて辞任した。須永耕太郎常務執行役員は女性に対する不適切な発言があったとして、月額報酬30%を3カ月間減額する。
今回の事態を受け、大田勝幸会長は月額報酬の30%を6カ月間自主返上する。社長職を代行する宮田氏も月額報酬の30%を自主返上する。
同社は杉森氏の不適切行為を受け、役員向けの研修など再発防止策に取り組んできた。信頼回復のさなかでの事態に、斉藤氏は「度を超した飲酒をしたこと自体が問題であり、自制ができておらず大変恥ずかしく申し訳ない」と謝罪しているという。
都内で記者会見した西岡清一郎社外取締役(監査等委員)は「組織全体の風土の問題というよりは、経営幹部の意識が不十分だった点が一番の問題点だ」と切り捨てた。
同社は24年2月をメドに新体制を決める。西岡氏は外部人材の登用も排除しない考えを示し、抜本的なガバナンス改革で立て直しを進める。
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