米軍、オスプレイを全世界で飛行停止 機体に問題示唆
【ワシントン=中村亮】米軍は6日、輸送機オスプレイについて飛行を一時停止すると発表した。日本で起きたオスプレイ墜落事故を受けた措置だと説明した。事故の原因究明を優先すべきだと判断した。
米空軍と海軍がオスプレイの飛行を停止するとそれぞれ発表した。米空軍特殊作戦司令部は声明で、日本の鹿児島県沖で起きた墜落事故の原因をめぐり「初期段階の調査情報は潜在的な設備の問題で事故が起きたと示唆した」と説明した。
墜落したオスプレイのパイロットの操縦ミスなどではなく、機体の構造的な問題が事故原因である可能性を示唆するものだ。
空軍特殊作戦司令部は墜落の根本的な理由は現時点で分かっていないと指摘しつつ、事故調査が続く間は事故のリスクを避けるために飛行停止を命じたと言及した。
米海軍航空システム司令部も声明で、空軍の決定を受けて全てのオスプレイに関して地上待機させると明らかにした。「事故の調査が続く間は米兵の安全を確保するために追加のリスク軽減措置を講じる」と明言した。
米国防総省のシン副報道官は11月30日の記者会見でオスプレイの運用に関し「もちろん米政府や国防総省として安全が最優先だ」と語った。安全対策について「調査を通じて追加措置が必要だとの結論が出れば我々は必ず実行する」と強調していた。
米軍は事故後に空軍が日本で運用するオスプレイの飛行を停止したが、海兵隊のオスプレイは運用を続けていた。日本の防衛省によると、嘉手納基地(沖縄県)でオスプレイの離着陸が確認されていた。
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