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楽天グループ、楽天銀行株を追加売却 約700億円

(更新)
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楽天グループは6日、子会社の楽天銀行株の一部を売却すると発表した。保有分の約4分の1にあたり、足元の株価を基にすると売却額は約700億円。携帯事業の設備投資で発行した社債を巡り、2024年〜25年に8000億円規模の大量償還を控える。今後も同事業で多額の運転資金が必要だ。この1年で6000億円規模の資本性資金を調達したが、資金繰りはなお綱渡りだ。

2550万株(発行済み株式の約15%)を海外市場で売り出す。6月末時点で約1億1000万株(発行済み株式の63.33%)を持つが、今回の売却で保有比率は約49%に下がり、5割を切る。ただ、楽天銀行は今回の売却後も楽天グループの連結子会社を維持する。

楽天グループは楽天銀行株を100%保有していたが、23年4月の上場に合わせて一部を売り出していた。出資比率を下げてでも資金調達を急ぐのは24年から社債の大量償還が始まることが背景にある。楽天グループは今回の売却目的について「主に社債の早期返済に充当する資金を確保すること」と説明している。

楽天グループは携帯電話の基地局に必要な設備投資の多くを社債で賄っており、24年に約3200億円、25年には約4700億円の償還が迫る。

24年が迫るにつれ、資金調達のスピードも速まっている。楽天グループは今年11月には傘下の楽天証券株の約3割をみずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券に約870億円で追加売却すると発表した。

昨年11月の楽天証券株の売却以降、5月の公募増資や今回の楽天銀行株の追加売却など、この1年あまりで累計6000億円の資本性の資金調達にめどをつけた。

楽天グループの携帯事業の収益は徐々に改善傾向にある。販売費・一般管理費などのコストカットを進め、KDDIとの新ローミング(回線乗り入れ)契約を利用した基地局投資の大幅削減も奏功。23年7〜9月期の非金融事業のフリーキャッシュフロー(FCF)は429億円の赤字で、前年同期比1300億円の改善となった。

もっとも社債の償還規模が大きいうえ、携帯事業の黒字化も遅れている。米格付け会社S&Pグローバルは22年末に楽天グループの社債を長期発行体格付けを投機的水準とされるダブルBに引き下げた。

S&Pの吉村真木子氏は23年10月のレポートで「業績の回復が進む一方で、今後2年の社債償還への備えは十分ではない」と指摘する。

S&Pは楽天について非負債性の資金調達の進捗状況を格付けの判断材料としてきた。ただ、吉村氏は6日、「債務返還の期日は迫っており、非負債性であることに対する着目度は下がっている」と指摘している。

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