元OpenAIのアルトマン氏ら、Microsoft入りへ
【シリコンバレー=山田遼太郎】米マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は19日、米新興企業オープンAIのCEOを解任されたサム・アルトマン氏がマイクロソフトに加わると明らかにした。同社に新設する人工知能(AI)の先進的な研究チームを率いるという。
ナデラ氏が19日深夜(米西部時間)にX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。オープンAIの共同創業者の1人で、アルトマン氏とともに退社を表明したグレッグ・ブロックマン元社長もマイクロソフトに入る。複数のオープンAI従業員もマイクロソフトに移る。
ナデラ氏は投稿で「我々はオープンAIとの提携を続け、製品のロードマップに自信を持っている」と強調した。エメット・シア氏が暫定CEOに就くオープンAIについて「新経営陣と共に働くのを楽しみにしている」とも述べ、巨額を投資するオープンAIとの関係を維持する考えを強調した。
ナデラ氏によると、アルトマン氏はマイクロソフト社内で新たに設置されるAI研究のグループのCEOに就くという。
アルトマン氏は同日、ナデラ氏の投稿に「使命は続く」とXで応じ、マイクロソフトに加わることを認めるかたちとなった。
アルトマン氏は17日にオープンAIのCEOを突如解任された。同氏を支持する投資家や従業員が多く、復帰に向けた交渉があったが19日夜までに合意に至らなかった。オープンAIはゲーム実況配信サービス「Twitch(ツイッチ)」元トップのシア氏を暫定CEOに起用した。
アルトマン氏やブロックマン氏の退任に続き、オープンAIの多くの従業員が退社の意向を示したことから去就に注目が集まっていた。
マイクロソフトは米西部ワシントン州シアトルで開いた技術イベント「イグナイト」で15日、オープンAIが手がける生成AIの技術基盤の最新版「GPT-4ターボ」の企業向け提供などを発表したばかりだ。
対話型AI「Chat(チャット)GPT」で知られる同社との提携を経営戦略の中核に据え、業務ソフトの操作を支援する「コパイロット」など、AI技術を矢継ぎ早に自社サービスに組み込んだ。クラウド基盤「アジュール」とオープンAIの技術の連携も進めた。
オープンAIから人材が流出し、アルトマン氏が独立する事態となれば、マイクロソフトのAI戦略が見直しを迫られるほか、投資家らから批判を招くのは避けられない情勢だった。
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(更新)
2023年11月17日、生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマンCEOが突如退任しました。一時はマイクロソフトに入ることが決まりましたが、オープンAIの社員らが復帰を求め、21日には復帰が発表されました。