日経平均、一時バブル後高値 堅調な企業業績支え
20日の東京株式市場で日経平均株価は一時、7月につけたバブル経済崩壊後の高値を上回った。1990年3月以来33年8カ月ぶりの高値となり、前週末比268円高の3万3853円まで上げた。前週末の米国株高で、東京市場でも買いが先行した。米長期金利の低下に伴うリスク選好ムードや、堅調な企業業績が株高の背景。買い一巡後は売り優勢となる場面がある。
米消費者物価指数(CPI)などの指標がインフレの鈍化を示し、利上げ停止の見方が強まっている。17日に米長期金利は一時2カ月ぶりの低水準をつけた。同日、米株式市場でハイテク比率が高いナスダック総合株価指数が8月以来の高値で終えた。
日経平均は1989年末に最高値の3万8915円となった。バブル経済崩壊、平成不況により指数は低迷。リーマン・ショック後の2009年3月にはバブル崩壊後の最安値となる7054円をつけた。その後は新型コロナウイルス禍収束による経済再開期待を背景に、23年の指数上昇率は足元で28%を上回った。
米株上昇の流れや日本企業の業績が好調なことから、日本株は上昇基調が続いている。20日は前週末にそろって2023年4〜9月期の連結決算を発表した損保大手の上昇が目立った。東京海上ホールディングスとSOMPOホールディングスは通期の純利益見通しを引き上げ、20日の株価を押し上げた。
23年4〜9月期の決算発表では好業績も目立ち、日経平均は11月に入ってから前週末までの上げ幅が2700円を超えた。東海東京調査センターの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは「米利上げが停止するとの見方から全面高の状況が続いていた。株主還元拡大の動きもあり、バブル後高値を上回るのは必然」とみる。
上昇一巡後は短期的な過熱を警戒した利益確定売りが優勢となった。午後に一時、前週末終値を200円超下回った。もっとも、市場では需給改善や為替の円安定着が支えとなり、先高観の強さが相場全体を押し上げるとの声もある。
フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは「ここからは中間配当金の収入も需給面で支えになる。11月から年末年始にかけては日本株が上昇しやすい時期で、まだ出だしだ」と話した。
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