紅海で貨物船乗っ取り 日本郵船が運航「日本人いない」
イスラエル軍は19日、イエメン近くの紅海で貨物船が乗っ取られたと発表した。日本郵船によると、拿捕(だほ)された船はバハマ船籍の自動車輸送船「ギャラクシー・リーダー」で同社がチャーターしていた。
日本郵船は「拿捕されたのは事実。乗組員の安全を確認中」とコメントした。乗組員はブルガリア人、フィリピン人など25人で日本人はいないという。国土交通省は19日午後9時半ごろ日本郵船から連絡を受け、詳しい情報を確認中だとしている。
イスラエル首相府は、この船舶は英国企業が所有し日本企業が運航しており、乗っ取りを実行したのはイエメンの親イラン武装組織フーシだと主張した。乗っ取りはイランの指導を受けたもので「イランによる国際船舶への攻撃を強く非難する」と強調した。乗組員にイスラエル人はいないと説明している。
イスラエル軍によると、貨物船はトルコからインドに向かう途中だった。船舶情報会社マリントラフィックによると、サウジアラビアとスーダンの間の海域で信号を確認したのを最後に消息がわからなくなっている。
ロイター通信はこれに先立ち、フーシの広報担当者が同日、イスラエル企業が所有・運航するすべての船舶を標的にすると表明したと伝えた。
イスラエル軍は10月からパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと交戦しており、フーシはイスラエルへミサイルなどによる攻撃をしかけてきた。
(カイロ=久門武史、逸見純也)
イエメンではサウジアラビアなどが支援する暫定政権と、イランが支援するフーシの内戦が続いている。3月にサウジとイランが外交関係を正常化することで合意すると、サウジとフーシの停戦協議も始まり、緊張緩和の機運が高まっていた。
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(更新)
パレスチナのイスラム組織ハマスが2023年10月7日、ロケット弾や戦闘員の侵入によってイスラエルへの大規模な攻撃を仕掛け、イスラエルが報復を開始しました。最新ニュースと解説記事をまとめました。
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