円相場、今年の最安値に下落 1ドル151円台後半
13日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル=151円台後半と2022年10月以来の円安・ドル高水準を付けた。市場参加者が強く警戒していた米国債利回りの上昇(債券価格は下落)が一服し、低金利の円を売って高金利通貨を買う「キャリー取引」が活発化している。
円は10月31日に付けたこれまでの安値である1ドル=151円74銭を下回った。日本時間14日早朝時点でも、1ドル=151円台後半で推移しており、昨年安値の151円94銭が市場参加者に意識されている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスが10日、米国債の信用格付け見通しを「ネガティブ」と従来の「安定的」から引き下げた。米国債が売られ(金利は上昇)、日米金利差が拡大するとの思惑も円売り・ドル買いにつながっている。
日本の貿易赤字も円安材料として意識されているようだ。貿易赤字は富が海外に流出する形になるため、円安圧力になりやすい。23年度上期(4〜9月)の赤字幅は前年同期と比べ縮小したものの、足元の円安による輸入物価の押し上げや、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突などに伴う資源価格の上昇懸念は根強い。
一方、政府・日銀が為替介入に踏み切るとの警戒感は残る。14日早朝の米10年国債利回りは4.6%台後半と、前週末から0.01%前後の上昇にとどまる。米国市場の動向を見極めたいとの雰囲気も強く、下値では円の押し目買いもみられる。
円はユーロに対しても下落し、一時1ユーロ=162円台と08年8月以来の円安・ユーロ高水準を付けた。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)
関連企業・業界