10月の企業物価0.8%上昇 2年8カ月ぶり1%割れ
日銀が13日発表した10月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は119.1と、前年同月比で0.8%上昇した。9月(2.2%)から1.4ポイント低下し、上昇は大幅に鈍化した。飲食料品など一部では価格転嫁の動きが続くが、政府のガソリン補助金の拡充で石油・石炭製品の上昇率が鈍化した影響が大きかった。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。10月の上昇率は民間予測の中央値(1.1%)を0.3ポイント下回り、10カ月連続で鈍化した。公表している515品目のうち405品目が値上がりした。上昇率が1%を下回ったのは、0.9%下落だった2021年2月以来、2年8カ月ぶり。
品目別にみると、電力・都市ガス・水道は前年同月比20.0%下落した。政府が2月から実施している電気・ガスの価格抑制策の補助は10月に半減したが、下落幅は9月(17.7%下落)より2.3ポイント拡大した。日銀の試算によると、電気・ガスの価格抑制策は企業物価指数を前年同月比で約0.3ポイント押し下げたという。
一方、飲食料品は前年同月比4.9%上昇した。9月(5.7%)より鈍化したが原材料コストを価格に反映する動きがみられた。石油・石炭製品の価格も0.7%上昇した。ガソリン価格の上昇を抑える政府の補助制度の金額が拡充されたことで、上昇幅は9月(3.2%)より2.5ポイント縮小した。
輸入物価は円ベースで前年同月比11.7%下落し、7カ月連続でマイナス圏となった。9月(マイナス13.9%)より下落幅が縮小した。
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