米WeWorkが経営破綻 資金繰り悪化、自力再建を断念
【ニューヨーク=堀田隆文】不振に陥っていた米シェアオフィス大手ウィーワークが6日、経営破綻した。同日に日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。新型コロナウイルス禍以降のオフィス需要低迷に加え、足元の金利高で資金繰りが悪化し、自力再建を断念した。
6日夜、米国でチャプター11の適用を申請したと発表した。裁判所に提出した資料によると、総負債額は100億〜500億ドル(約1.5兆〜7.5兆円)の範囲になる。23年6月末時点では、約150億ドルの資産を保有する一方、負債は186億ドルで債務超過に陥っていた。
6日、破産法申請の影響を受ける事業は米国と別途申請するカナダだけで、その他の国・地域の事業は影響を受けないと説明した。ウィーワークのデビッド・トリーCEOは破産法申請を巡る再建プロセスについて「遅くとも24年の第2四半期(4〜6月期)には抜け出せる」との見通しを示した。
同社は、ソフトバンクグループ(SBG)が傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を通じて5割弱を出資している。ウィーワークの破綻は、SVFによる含み損の計上などでSBGの業績に響く可能性がある。
ウィーワークは足元で資金繰りが逼迫していた。10月2日に社債の利払いを巡って30日間の支払い猶予期間を設けることで債権者団と合意したが、10月31日にさらに7日間の延長を申し出ていた。
同社は2010年代に急成長したが、創業者の放漫経営で19年に一転、経営難に陥った。大株主であるSBGが支援して21年に株式上場したが、新型コロナウイルス禍でオフィス需要が急減したうえ、金利高で資金調達コストが増大し、経営難に直面していた。
企業価値はピークの19年1月には470億ドルに達した。3日時点の時価総額は4500万ドル弱に目減りしていた。
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