11月の住宅ローン固定金利、12年ぶり高水準 メガバンク
3メガバンクが10月31日に発表した11月適用の住宅ローン金利で、固定型を10月比でそろって引き上げた。10年固定型の基準金利の単純平均は0.12%上昇の3.80%と2011年以来12年ぶりの水準となり、優遇後の金利でも0.12%高い1.29%となった。長期金利の上昇を反映する。短期金利に連動する変動型との差が一段と拡大する。
住宅ローン金利は全期間固定型、当初10年など一定期間の金利を固定する固定期間選択型、変動型の主に3種類ある。固定型は長期金利、変動型は短期金利に連動する。低金利が続き、大手行やネット銀行の契約者の9割は変動型を選ぶとされる。短期金利に連動する変動型の基準金利は各行とも2.475%で据え置いた。
10年固定の最優遇金利で三菱UFJ銀行は10月比0.10%高い1.04%、三井住友銀行は0.15%高い1.29%、みずほ銀行が0.10%高い1.55%となった。長期金利の上昇が続いているため12月以降も金利は上昇するとの見方が強い。最優遇金利について三井住友信託銀行は0.28%高い1.54%。
比較可能な主要5行の固定金利の優遇前の基準金利の平均は11年7月の3.82%以来の水準となった。三井住友が3.94%、三菱UFJが3.82%、みずほが3.65%だった。0.10~0.15%の引き上げとなる。
固定型の住宅ローン金利は長期金利の水準にあわせて決める。日銀は31日に長期金利の事実上の上限だった1%を「めど」とし、一定程度超えることを容認する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。長期金利は0.9%台と10年ぶりの高さとなっている。
大手行の固定型ローンの金利は前月の中〜下旬の長期金利をもとに決めるのが一般的で、11月のローンにYCCの再修正は反映されていない。固定型ローンの金利は12月以降にさらに上昇するとの見方が強い。