長期金利、一時0.955%に上昇 円は下落し一時150円台
31日午前の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇(債券価格は下落)し、一時0.955%をつけた。2013年5月以来、約10年ぶりの高水準となる。日銀が31日まで開く金融政策決定会合で金融緩和を修正するとの警戒感が広がり、国債が売られた。
日銀は30〜31日の日程で金融政策決定会合を開いた。30日に長期金利が一時0.89%を付け日銀が事実上の上限とする1%に迫るなか、30日深夜には日本経済新聞電子版が「現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力」と伝えた。
31日昼に日銀が実際に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用見直しを発表すると、債券には先物を中心に買い戻しが入る場面もあった。もっともその後は再び売りが強まり、新発10年物国債は午前と同水準の0.93%で取引が成立した。
日銀は長期金利の変動幅の「めど」を従来の「0.5%程度」から「1%」に引き上げた。1%の水準で毎営業日に実施してきた無制限に国債を買い入れる「連続指し値オペ(公開市場操作)」も取り下げ、「厳格な上限」としていた1%を上回ることを許容する姿勢を示した。もっとも短期金利をマイナス0.1%とするマイナス金利政策は維持したことで、午後の債券市場では金利の上昇余地は限られている。
日銀の決定を受けて外国為替市場では円売り・ドル買いが膨らんだ。一時1ドル=150円10銭台と、27日以来の円安・ドル高水準を付けた。日銀の結果発表前には149円30銭台で推移していた。
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