米GDP、7〜9月4.9%増に加速 利上げでも消費衰えず
【ワシントン=高見浩輔】米商務省が26日発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は前期比の年率換算で4.9%増だった。4〜6月期の2.1%増から大幅に加速した。利上げでも衰えない個人消費が強い米経済をけん引している。
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GDPの7割を占める個人消費は4.0%増だった。飲食や夏場のレジャー消費が好調で、伸びは4〜6月期の0.8%増から拡大した。金利上昇で住宅などローンの利払いは重くなっているものの、消費全体の勢いは衰えていない。
企業の設備投資は4〜6月期の7.4%増から0.1%減と2年ぶりにマイナスに転じた。住宅投資は2.2%の減少から3.9%の増加に転じた。住宅は新型コロナウイルス禍の影響で2桁のマイナスに陥ったが2年半続いた減少傾向が反転した。
輸出は9.3%の減少から6.2%の増加に転じた。輸入も7.6%の減少から5.7%の増加となった。輸入を差し引いた純輸出はわずかに成長率を押し下げた。
7〜9月期の成長率は米連邦準備理事会(FRB)などが米経済の巡航速度と見積もる2%弱を大きく上回っている。市場の事前予想は4.7%だった。
エコノミストらは1年ほど前には米経済が2023年内にも景気後退に入ると予想していた。実際には22年3月のゼロ金利解除から1年半が経過しても勢いが弱まらなかった。
FRBはインフレ抑制のために景気がある程度冷え込む必要があるとみている。米経済は10〜12月期以降に減速するとの予想が多い。
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