英アーム、最大7兆円超で上場へ Appleなど10社出資
【ニューヨーク=竹内弘文、ロンドン=山下晃】ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームは5日、米証券取引所ナスダックへの上場を申請している米預託証券(ADR)の公開価格の仮条件を47〜51ドル(約6900〜7500円)に設定したと公表した。価格上限の場合、時価総額は約520億ドル(約7兆7000億円)となり、今年最大の上場案件となる。
米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかにした。仮条件をもとに機関投資家からの需要を探り、公開価格を決定する。
アーム上場にあわせSBGは持ち株1割弱を売り出す。米アップルやグーグル、エヌビディア、韓国サムスン電子など10社がアームADRの取得を検討していると正式に開示した。SBGは人工知能(AI)の普及に伴う半導体の開発・生産需要をにらみ、残りの9割は保有を続ける。
アーム株は従来、SBGが75%、傘下で世界のAI関連企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンドが25%を保有していた。SBGは正式な上場申請の直前にアーム全体を640億ドルと評価した金額で、ビジョン・ファンドの保有分を買い取った。
SBGの孫正義会長兼社長は引き続きアームをAI戦略の中心に据えており、できるだけ持ち分を維持したい意向があった。ビジョン・ファンドの出資者にとっては同ファンドでのアームの運用益が確定し、運用成績の向上につながる。
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