セブン、そごう・西武売却で特損1331億円 一転減益
セブン&アイ・ホールディングスは1日、2024年2月期の連結純利益が前期比18%減の2300億円になりそうだと発表した。1%増の2850億円と過去最高を見込んでいた従来予想から550億円引き下げた。同日、そごう・西武の売却が完了したことも発表した。百貨店譲渡関連損失として約1331億円の特別損失を計上する。
セブン&アイ単体としては株式譲渡関連損失と損失補てん額として合計で約1457億円の特別損失を計上する。セブン&アイはフォートレス・インベストメント・グループと売却の基本合意をした時と比べてそごう・西武の企業価値を300億円程度減らしたほか、そごう・西武に対する貸付金を916億円放棄した。
セブン&アイの貸付金放棄後の、そごう・西武単体の有利子負債は約2000億円となる。セブン&アイはそごう・西武の企業価値2200億円から同社の有利子負債を差し引き、運転資本にかかる調整などを経た株式の譲渡額を8500万円と見込む。
24年2月期の営業利益は4%増の5250億円、売上高にあたる営業収益は2%減の11兆5270億円とそれぞれ120億円、3730億円上方修正した。為替相場の前提を1ドル=131円から137円と円安方向に修正した。対ドルの1円円安は営業利益を22億〜23億円押し上げるという。新型コロナウイルス禍からの経済再開で国内コンビニが好調に推移していることも業績予想に反映した。
セブン&アイ・ホールディングスは百貨店子会社のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却しました。フォートレスは家電量販大手のヨドバシホールディングスと連携しており、ヨドバシが西武池袋本店などに出店を検討しています。売却の決議までに、売り場構成などでそごう・西武の労働組合などと調整が難航、大手百貨店で約60年ぶりのストライキに至りました。