古川聡さん搭乗、米宇宙船打ち上げ成功 2度目のISSへ
米宇宙開発企業のスペースXは26日、日本の古川聡さん(59)や米欧ロの計4人の飛行士が搭乗する宇宙船「クルードラゴン」を米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。宇宙船は予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。4人の飛行士は約1日後に国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、長期滞在を始める。
古川さんは打ち上げ後、「日本の皆さん、国際宇宙ステーションへ再び出張して、着実に仕事をしてきます」と宇宙船から日本語で語った。
古川さんの宇宙飛行は2011年以来2回目だ。宇宙で貴重な水を再利用する新技術の実証や、将来の月や火星での滞在を見据えた研究などに取り組む。日本企業が開発した、洗濯しなくても清潔に着用できる衣服などの生活用品も宇宙空間で試す。
22年秋、古川さんが過去に責任者を務めた医学研究でデータの改ざんや捏造(ねつぞう)などの不適切行為があったと発覚した。直接の関与はなかったものの管理責任を問われ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から戒告の処分を受けた。JAXAはその後、訓練内容の評価などを通じて宇宙飛行に問題はないと判断した。
古川さんが搭乗するクルードラゴンは米起業家イーロン・マスク氏率いるスペースXが開発した宇宙船だ。企業主体で開発した宇宙船として20年に世界で初めてISSに宇宙飛行士を届けた。その後は宇宙飛行士のほか、JAXAや米航空宇宙局(NASA)などの国家機関に所属しない民間人も含めて飛行実績を重ねている。
古川さんの11年の初の宇宙飛行の際にはロシアの「ソユーズ」を使った。日本人の宇宙飛行士がクルードラゴンに搭乗するのは20年の野口聡一さんから4年連続だ。
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