山口・上関町、中間貯蔵施設の調査受け入れ
中国電力と関西電力が山口県上関町に計画する使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、西哲夫町長は18日、建設に向けた調査の受け入れを表明した。同日開いた臨時町議会後、西町長は「中国電力に対して調査受け入れを報告した」と述べた。
中国電と関電は中間貯蔵施設の建設が可能かどうか、半年ほどかけて掘削調査などを実施する見通しだ。
町議会では冒頭、西町長が中国電の提案について説明し、「私としては受け入れる考えだ。町議の話を聞いて総合的に判断したい」と話した。町議がそれぞれの意見を述べたところ、賛成意見が過半数を占めた。採決は取らず、西町長が最終的に判断した。
西町長は中国電に調査を受け入れる条件として、町民に対して丁寧に情報提供すること、具体的な計画が策定できれば住民説明会などを開くこと、周辺市町に対しても適切な情報提供を実施することなどを求めた。
中国電は上関町内に原子力発電所の建設を計画しているが、2011年の東京電力福島第1原発事故後、着工は未定のままとなっている。西町長が町財源の確保につながる新たな地域振興策を求めたのに対し、中国電が中間貯蔵施設の建設計画を提示した。中国電単独での建設や運営は難しいことから、関電に共同開発を持ちかけた。
国内の使用済み燃料はすでに貯蔵能力の約8割が埋まっている。青森県六ケ所村の再処理工場の稼働が遅れるなか、新たな中間貯蔵施設の確保が急務となっている。
今後、調査開始まで「少なくとも1カ月はかかる」(中国電)。建設可能と判断すれば町に具体的な計画を提示することになる。
施設の規模などは未定だが、埋め立て地を含めて160万平方メートルに及ぶ町内の原発建設用地内に建設することを想定している。