ビッグモーター兼重社長が辞任 後任に和泉専務
中古車販売大手のビッグモーター(東京・港)は25日、兼重宏行社長が26日付で辞任すると発表した。後任には和泉伸二専務が就く。損害保険会社に対して不適切な保険金請求行為があったことから、経営責任を明確にする。
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同日、都内で開いた記者会見に出席した兼重氏は「不適切な保険金請求をしていたお客様には返金を含めた対応を進める。社内調査を継続し、早期の全容解明に努める」と話した。そのうえで「企業風土を一新するには、新社長のもと全社一丸となって取り組むことが近道と判断し、社長を辞任する」とした。
ビッグモーターを巡っては、ゴルフボールを入れた靴下で顧客から預かった自動車をたたいたり、ボディーに故意に傷を付けたりと、保険金を過大に請求するための悪質な行為が明らかになっている。同社のガバナンス不全に加え、同社に対して損害保険ジャパンが2011年から延べ37人の出向者を出していたことがわかり、損保会社の責任を問う声が強まる可能性もある。
ビッグモーターの兼重氏は1951年生まれ。1976年に前身の兼重オートセンターを創業し、78年に株式会社化すると社長に就いた。
中古車販売大手ビッグモーター(東京・港)が事故車の修理に伴う保険金を水増し請求し、過大に保険金を受け取っていたことが分かりました。外部弁護士がまとめた調査報告書によると、同社の従業員はゴルフボールを靴下に入れてふりまわすなど意図的に車両に傷をつけて損傷範囲を広げ、損害保険会社に過大な修理費を請求していました。兼重宏行社長らが辞任、国交省が聴取に乗りだすなど全貌解明がすすめられています。