消費者物価指数、6月3.3%上昇 2ヵ月ぶり伸び率拡大
総務省が21日発表した6月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が105.0となり、前年同月比で3.3%上昇した。伸び率は2カ月ぶりに拡大した。電気代の値上げが押し上げ、食品高も続いている。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値の3.3%と同じだった。プラスは22カ月連続。日銀の物価目標である2%を上回る状況が続く。
生鮮食品を含む総合指数は3.3%上昇した。米国の6月の総合指数は3.0%プラスで、上昇率は日米で逆転した。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は4.2%上がった。伸び率は5月から0.1ポイント縮小した。指数の伸びが前月を下回ったのは22年1月以来17カ月ぶりとなる。
総務省は政府の電気・ガス料金の抑制策と観光支援策「全国旅行支援」がともになければ、生鮮食品を除く総合が4.4%上昇だったと試算した。単純計算すると、政策効果で伸びは1.1ポイント抑えられた。
品目別で見ると、エネルギーは前年同月比で6.6%低下した。5月から下落幅が1.6ポイント縮んだ。電気代は12.4%の低下で、5月は17.1%マイナスだった。大手電力7社が6月に家庭向けの電気料金を引き上げたことが影響した。政府の電気・ガス料金の抑制策により、水準としてはマイナスで推移する。
生鮮食品を除く食料は9.2%上昇した。伸び率は5月から横ばいで、1975年10月の9.9%以来となる高水準にある。
鳥インフルエンザや飼料高の影響があった鶏卵は35.7%上昇した。原材料や資材の価格上昇で炭酸飲料は17.4%上がった。
日用品でも洗濯用洗剤が18.4%上昇している。新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化で宿泊料は5.5%伸びた。
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