北朝鮮が弾道ミサイル2発 EEZ外に落下、変則軌道か
防衛省発表
防衛省は19日、北朝鮮が同国の西岸付近から弾道ミサイル2発を東方向に発射したと発表した。いずれも朝鮮半島の東に位置する日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落ちた。浜田靖一防衛相は防衛省で記者団に「変則軌道で飛しょうした可能性がある」と述べた。
北朝鮮は1発目を午前3時29分ごろに発射し、同ミサイルは550キロほど飛行した。2発目は3時45分ごろに撃ち、600キロ程度飛んだ。最高高度はいずれも50キロ程度だった。浜田氏は「被害情報は入っていない」と語った。政府は北朝鮮に対し、外交ルートを通じて抗議した。
中東訪問から帰国中の岸田文雄首相は政府専用機内で報告を受けた。関係省庁に①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速・的確な情報を提供する②航空機や船舶などの安全確認を徹底する③不測の事態に備え、万全の態勢をとる――の3点を指示した。
米韓両政府は18日、核兵器を搭載できる爆撃機や潜水艦など戦略兵器の運用に関する「核協議グループ」の初会合をソウルで開いた。
米国家安全保障会議(NSC)のインド太平洋調整官のカート・キャンベル氏は同日、核兵器を搭載できる米軍の戦略原子力潜水艦が韓国・釜山に寄港中だと明かした。米軍の核戦力を見える形で展開し、北朝鮮の核使用への懸念を拭う狙いだ。
北朝鮮の19日の弾道ミサイル発射は戦略原潜の寄港などに対抗する意図があるとみられる。
北朝鮮は12日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の新型弾「火星18」を試射した。朝鮮労働党副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏は17日の談話で、米国による拡大抑止の強化を巡り「我々を会談のテーブルから遠ざける」と批判した。
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