夏のボーナス過去最高89.4万円 鉄道や百貨店がけん引
2年連続プラスも伸び率鈍化 本社調査
日本経済新聞社がまとめた2023年夏のボーナス調査最終集計(6月30日時点)は、全産業の平均支給額が前年比2.60%増の89万4285円だった。2年連続で過去最高を更新したが、伸び率は鈍化した。物価高が長引いて実質賃金のマイナスは続く見込みで、消費回復には不透明感もある。
非製造業、コロナ禍から回復鮮明
上場企業を中心に比較可能な406社を対象に集計した。9.96%増と過去最高の増加率だった非製...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。