立憲民主党提出の内閣不信任案、与党など否決
衆院は16日の本会議で、立憲民主党が提出した岸田文雄内閣への不信任決議案を与党などの反対多数で否決した。共産党は賛成し、日本維新の会と国民民主党が反対した。
立民の泉健太代表は16日の衆院本会議で、同日に成立した防衛費増額の裏付けとなる財源確保法を内閣不信任の理由の一つに挙げた。「子育てや教育など他の予算を圧迫する。防衛増税ありきで多くの国民は反対だ」と強調した。
衆院解散に関する首相の言動について「全国の自治体を混乱させ、政治、行政、経済に影響を与えかねない解散を軽々しく振り回した」と主張した。2024年秋に予定する健康保険証の廃止を「国民皆保険を揺るがす危機的状況を招く」と訴えた。
自民党の伊藤達也氏は反対討論で「党利党略の不信任は時代にそぐわない」と立民の対応を批判した。財源確保法を巡り「防衛力の抜本強化に向けて一刻も早く体制を整備しなければならない」と説いた。
首相は15日、今国会での衆院解散を見送ると表明した。野党が不信任案を提出した場合は即刻否決するよう自民党の茂木敏充幹事長に指示していた。
夏から秋ごろの自民党役員の改選に合わせた内閣改造・党役員人事も想定される。首相は秋以降をにらみつつ、改めて解散戦略を練る。
首相は16日、少子化対策や経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)などに触れて「こうした政策をしっかりと実行していきたい」と述べた。不信任決議案の否決を受けて首相官邸で記者団に語った。
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