5月の貿易赤字1兆3725億円 前年比42%縮小
財務省が15日発表した5月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆3725億円の赤字だった。赤字は22カ月連続だが、赤字幅は前年同月に比べて42%縮小した。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰などが落ち着き、輸入額が前年同月比9.9%減った。輸入額が前年同月を下回るのは2カ月連続だ。
輸入は8兆6651億円だった。原粗油は21.7%減の8357億円、液化天然ガス(LNG)は31.6%減の4127億円で輸入額を押し下げた。アラブ首長国連邦(UAE)やオーストラリアからの輸入が減った。
原粗油はドル建て価格が前年同月を19.9%下回った。為替レートは4.8%の円安になっているが、円建て価格も16.1%下がった。世界銀行によると23年5月のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の月平均価格は1バレル当たり71.5ドルで、前年同月(109.6ドル)から34.7%下がっている。
輸出は7兆2926億円で0.6%の微増だった。増加は27カ月連続だが、伸び率はこの間で最も低かった。半導体不足が和らいだ自動車が66.3%増の1兆1553億円だった。半導体等製造装置は20.2%減の2348億円にとどまった。
地域別では米国向けが1兆3737億円と9.4%増、アジア向けは3兆9269億円で8.1%減った。
季節調整値でみると、輸入は前月比で5.6%減の8兆7289億円、輸出は3.1%減の7兆9511億円だった。貿易収支は7778億円の赤字となった。
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