経常利益が過去最高、1〜3月4.3%増 法人企業統計
財務省が1日発表した1〜3月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は前年同期比4.3%増の23兆8230億円だった。2四半期ぶりのプラスで1〜3月期として過去最高を更新した。新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化が企業業績を支えた。
業種別の経常利益をみると非製造業は17.2%の増益だった。電気は6四半期ぶりの黒字だった。燃料価格の上昇を電気料金に反映した。工事件数の増加により建設業は24.3%伸びた。
製造業は15.7%の減益だった。世界的にパソコンやスマートフォンの需要が落ち込み、情報通信機械が53.1%減少した。原材料価格の上昇で化学も24.4%マイナスに沈んだ。
製造業でも一部の業種は半導体の供給制約の緩和により増産が進み、増益を確保した。輸送用機械は27.9%のプラスだった。海外向けの受注が増えた生産用機械は36.0%伸びた。
売上高は5.0%増の378兆8575億円だった。業種別では非製造業が6.1%増加した。インバウンド(訪日外国人)など人流の回復によってサービスが16.5%伸びた。企業のデジタル化投資が好調だった情報通信も17.9%プラスと押し上げた。製造業は2.3%増えた。
設備投資は全体で11.0%増の16兆5395億円と8期連続のプラスだった。製造業で11.3%、非製造業で10.8%それぞれ高まった。
製造業は輸送用機械が21.2%増えた。自動車の新工場建設があったほか、電気自動車(EV)の関連投資が活発だった。車載向けのパワー半導体の生産能力を増強した情報通信機械も23.4%の増加だった。
財務省は今回の法人企業統計について「緩やかに持ち直しの動きが続いている景気の状況を反映した」と説明した。先行きについては「物価上昇などの影響を注視したい」との考えを示した。
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